最近、インターネットで見かけた書き込み記事に気になる内容があった。学校給食での「いただきます」が廃止、あるいは任意化されているという噂だった。関連するいろんな書き込みを読んでみても発端ははっきりせず、SNS上で拡散されたという。「いただきます」の廃止や任意化の理由としては「宗教上の配慮」や「給食代を払っているのに『いただきます』と言うのはおかしい」といった意見が紹介されていた。しかし、具体的な学校名などは示されておらず、実際に廃止や任意化が行われているのかは定かではない。
食べる前に唱える「いただきます」という言葉には、普段何気なく食べている食事の背景にある「命」への感謝の気持ちが込められている。魚や肉、野菜など、どんな食材も元をたどれば命ある自然の生き物の恵みである。普段、何気なく言う「いただきます」という言葉には動物や植物を含めた全ての生き物に対し、「命をいただく」という尊い気持ちの表れ。その意識がこの短い言葉の中にある。
子どもの頃から「動物や虫、草木にも命がある。その命を大切にしなさい」と教えられてきた。一見すると、命を奪う食はその考えと相反するようにも思えるが、他の命をいただくことで自らの命を生き延びさせることができる。だからこそ、食事の前に手を合わせて言う「いただきます」には、生命の尊さを感じる日本人の心が宿っているのだろう。
今回のインターネットの書き込みが単なる愉快目的の情報であることを願いたい。そして、日本人が古くから大切にしてきた食に対する感謝の気持ちこそが、これからの子どもたちへの教育の中でも生かされるべきではないだろうか。(雄)

