インターネット、スマホ、AIなど時代はすさまじいスピードで進んでいる。筆者がまだ学生だった30年前、ようやく携帯電話が普及し始め、パソコンでインターネットにつなぐには確か電話回線を差し込んだように記憶している。つながる時に「ピーヒュルルルー」という音が鳴っていたし、今思えばつながるのはすさまじく遅かった。30年経った今はどうか。ネットはサクサク動き、少しでもつながるのが遅いとイライラ。分からないことのたいがいはAIが教えてくれ、便利な世の中になったのは今更言うまでもない。
逆にこの30年で何がなくなっただろうか。これらインターネットなどデジタル化が進んだことによって電話帳など紙ベースのいわゆるアナログなものは次々と消えていっている。デジタル化とは直接関係ないが、何より少子高齢化が恐ろしいスピードで進み、地域で子どもの声を聞くことが少なくなったのが一番悲しい。クリック一つで買い物が完了し、友達との会話もSNSが主流、地域のコミュニティーはやはり消えつつある。テレビCMでタモリさんがいう「(レコードは)面倒だからいいんじゃないの」という言葉に共感、温かみを感じるのは筆者だけではないだろう。
都会に限らず日高地方もじわじわと同様の傾向。田舎の原風景も少しずつ様変わりしているのが現実だ。なくしていけばいいものもあれば、残したいものもたくさんある。身近なところでは、御坊市の日本一短いローカル私鉄、廃線の危機に直面している紀州鉄道も未来に残したい。魅力はたくさんあるが、残したいと思っている人がたくさんいること自体が何よりの存在価値だろう。(片)

