宇宙ベンチャー「スペースワン」の小型ロケット「カイロス3号機」が5日、打ち上げられた。順調に上昇したが、約5分後、中断措置として自爆した。安全システムの誤作動が原因とみられ、同社は今後さらに原因を究明するとしている。4号機の打ち上げ時期も現時点では未定だ。

 筆者は那智勝浦町の見学場で取材した。3号機は発射直前での延期が1日と4日の2回あり、3度目の現地取材で、ようやく上昇するロケットを見ることができた。ミッションは失敗に終わったものの、轟音と光を放ちながら飛翔していく姿は圧巻で、見学場では失敗に落胆するよりも満足そうな表情を浮かべる人も多かった。

 今回の取材で、ロケットの人気ぶりを肌で感じた。1日から4日、5日へと延期が続くたびに人出は減ったものの、跨線橋もない小さな紀伊浦神駅は多くの人であふれた。宿泊した那智勝浦町の観光地でも、ロケットを目当てに訪れたと思われる人々の姿をあちこちで見かけた。

 見学場で声をかけたロケットファンの男性は、国内各地のロケット発射を見に行っているという。種子島では海が荒れ、1週間帰れなかったこともあったと語り、「串本は一番見に行きやすい場所」と話していた。

 スペースワンは将来的に年間20~30基の打ち上げを目標に掲げている。実現すれば南紀、ひいては県全体に大きな観光効果をもたらし、日高地方への影響も大きいだろう。今回は残念ながら失敗に終わった。それでも轟音とともに空へ伸びていった白い軌跡は、多くの人の胸に確かな期待を残した。日本のロケット技術のため、そして和歌山の未来のためにも、次の打ち上げの成功を願いたい。(城)