米国とイスラエルがイランへの軍事作戦に踏み切り、最高指導者のハメネイ師が殺害された。トランプ大統領は「史上最も邪悪な人物。イラン国民にとっても、米国と世界の人々にとっても(彼の死は)正義だ」と言い放った。

 目的は、イランの核兵器保有の阻止と体制の転換。昨年6月の前回と異なり、今回はミサイルと開発拠点を消し去り、海軍力を壊滅させるとし、イラン国民には「米国は圧倒的な力と破壊的な武力であなた方を支援する。いまこそ行動を起こすときだ。この機会を逃してはならない」と呼びかけた。

 通常、軍事作戦を仕掛ける側は最新の兵器と奇襲で短期間に鮮やかな勝利を収めたい。もちろん、今回の米国とイスラエルもそのつもりであろう。イランは経済が停滞しているものの、軍事力はトルコ、イスラエルに次いで中東3位、世界では16位にランクされている。

 ロシアのプーチンは、ウクライナの首都を3日で制圧できると踏んで侵攻したといわれているが、その計算は大きく外れ、戦争はとうとう4年目に突入した。民間人も含む死者は両国とも20万人を超えるというデータもある。

 戦争とは、始めるより終わる方が難しい。一方的な理由で属国化を目論むプーチンはやめる気などさらさらなく、ウクライナも「領土を割譲してNATOに入らないことを誓えば停戦するよ」といわれても笑うしかない。国民の結束、政治的抵抗力はウクライナの方が勝っている。

 日本にとって、イラン問題はウクライナ以上に複雑かつ深刻。日本はより緊張感をもって、隣国との衝突を避けるための外交と同時に、防衛力(抑止力)の向上を進めなければならない。(静)