世界の宗教の起源を見ると、それぞれが同じ時期に出現している。

 仏教、ヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教等である。地域も北半球の亜熱帯という特定地域に限られる。これらは宇宙の真理を見つけたと主張するカリスマ指導者と、それをとりまくカルト集団で作りあげられたことも共通している。そしてその全てにトランス状態をつくりだす儀式や慣習が存在する。人々は貧困や抑圧から逃れる手段として、これらの宗教の信者となっていった。人間の心理として、人智を越えた神秘主義世界を信じたいと願う心理も働いた。

 宗教の歴史を遡れば、泉や川、山や森という、ありとあらゆる物に霊が宿ると考える「アニミズム」に始まる。この霊との仲立ちをする霊媒師がやがて登場し、「シャーマニズム」となる。これが教義化されて教義宗教が生まれ、この多くが教祖が啓示を受けたという起源譚へと繋がっていく。

 また宗教の特徴としてトランス状態に陥るということも共通している。神などを信じる瞑想を重ねるうちにトランス状態に陥り、やがて奇跡を起こしたという聖人が現れる。

 また人々は互いに繋がりを持ちたいという心理が働き、ここに宗教集団が生まれる。

 宗教に入りやすい人の特徴としては、幻視を見やすい人であったり、人智を越えた神の精神状態を深く考察できる人であったりする。要するに私たちが知っている宗教は、人類が出現した二〇万年前には存在せず、そしてどんな宗教も、始まりはカリスマ指導者を中心とするカルト集団だと著者は述べている。(秀)