冬の寒さのピークが過ぎ、次第に厳しい冷え込みが和らいできた。日高地方では早春を告げる梅の花が満開に咲き誇り、辺りには甘酸っぱい香りが漂っている。あと1週間もすれば、春の到来を告げる3月に入り、寒い冬から暖かな春へと移る時期。フキノトウなどの山菜が各地で顔を出し始め、春の味覚が楽しめる季節となる。野山ではツクシが頭を出し、早咲きの桜も咲き始める。一方で、学校などでは卒業式、離任式が行われ、別れの月でもある。新しい生活への期待と寂しさが入り混じる季節で、そういう意味では日本人にとっての3月は一年のうちでも特別な月の一つかもしれない。
渓流釣り師にとっても3月は特別な意味を持つ。「渓流の女王」とも呼ばれるアマゴの解禁を迎えるからだ。アマゴの体長は20㌢ほどで、背は濃い緑色。薄茶色のパーマークと呼ばれる楕円形の斑紋が並び、朱色の斑点がある。見た目が美しいのがこの魚の特徴といえるだろう。釣りのターゲットとしては手ごわく、釣り人の気配を察するとすぐに岩陰へ身を隠す。針の付いたエサに違和感があればすぐ吐き出し、時には針を避けてエサの先だけをくわえることもある。
日高川の解禁日は3月1日で、今年の解禁日は日曜と重なる。筆者自身も釣行を予定しているが、解禁日の釣果はどうであれ、久しぶりに竿を握ることに今からワクワク感が高まる。解禁前のこの時期になると釣り仲間と川の状況やポイントなどについて情報交換が行われ、より一層、渓流へと心が動く。釣りには四季折々のターゲットが存在するが、渓流釣り師にとっては解禁の朝に渓流に立つことが春の訪れでもある。(雄)

