東西に横綱、大関がそろって迎えた初場所。途中、豊昇龍、大の里の両横綱がともに連敗、中日は横綱、大関の全員が敗れるという戦後の天覧相撲で初の大波乱もあったが、これも含めて昔のようななれ合いの談合相撲がなくなった結果だろう。いま、とことんガチ(真剣勝負)の大相撲が最高に面白い。

 横綱はどんなに負けてもその地位から転落することはないが、大関は2場所続けて負け越せば関脇に落ちる。負け越した次の場所は「カド番」となり、かつては「負ければ陥落」という一番で、カド番大関がそれまで見せたことのない力強さで相手を圧倒。そのわざとらしさは子どもの目にも伝わり、大関互助会などと揶揄された悪しき伝統は、当然ながら面白くなかった。

 ガチを貫いた若貴兄弟の登場、その後の八百長問題発覚以降、明らかな談合相撲はなくなり、最近は大相撲改革を求める元力士も「まったくなくなった」と評価するほど土俵の景色が変わってきた。力士は番付、地位が上がればそれなりの力量、品格が求められるが、必要なのは何より嘘のない真剣勝負ではないか。

 総選挙が始まった。自民党の横綱高市首相は岸田、石破政権とは真逆の責任ある積極財政、減税、外交を掲げ、与党で過半数獲得に自身の進退をかけると明言した。示す政策は前政権から大きな転換となり、それを実現するため、次の首相は高市でいいのかどうかを国民に問うという。

 自民と中道改革連合(旧立民・公明)はともに政策を大転換させる。どの党がどこまで本気で政策を実現しようとしているのか。選挙期間中は中国の日本に対する出方もみながら、各党の熱量の高さ、ガチ度を見極めたい。(静)