1カ月ほど前、差出人名に弊社社長の名前で「今会社にいますか?」とだけ書かれたメールが届いた。フリーメールで、そもそも社内連絡がメールで来ること自体、通常とは異なっていた。念のため別の手段で確認したところ、新手の迷惑メールだと分かった。

 その後は、毎日のように社長名義のメールが届くようになった。多くは在社を確認する内容だ。最近では、由良町やみなべ町の店舗、事業所など、実在する代表者名を差出人としたメールが届くこともある。いずれもまったく知らない相手ではないため、特定の地域や人間関係を狙って送信している可能性も考えられ、不安を覚えた。

 こうした手口は最近ニュースでも取り上げられ、1億円を超える被害に遭った企業もあると報じられている。手口としては、その後のメールでLINEのグループを作るよう指示され、そこでのやり取りを通じて、指定された口座に送金するよう求められるというものだ。

 弊社では、社員間でのメールのやり取りは少なく、アドレスも独自ドメインを使用しているため、不自然さに気付いたが、迷惑メールによくあるリンク用のURLや「SPAM」マークもつかなかったため、最初に見たときは戸惑った。

 日頃からメールでやり取りしている相手であったり、メールアドレスが1文字違いだったりすれば、より信じてしまう可能性は高い。詐欺を行う側は次々と新たな手口を考えてくる。多くの場合はすぐに見破られるだろうが、いくつもの悪い偶然が重なれば、だまされてしまうことは十分にあり得る。社内での周知やルール整備など、あらためて対策が求められる。(城)