「誰も見たことがないような見事な仕事ぶりだった」。世界を驚かせたベネズエラへの軍事作戦について、一部始終をライブ映像で見守っていたトランプ大統領が、特殊部隊の動きを称賛した。

 軍を動員して主権国家の首都を爆撃、現職のマドゥロ大統領と妻を拘束、米国に連行し、2日後には麻薬密輸への関与などの罪で法廷に引きずり出した。穏やかな新年早々、まるで映画のような出来事に呆気にとられた。

 そのマドゥロ大統領急襲作戦の翌日、トランプ大統領はまるでそれが前フリだったかのように、以前から領有を主張していたグリーンランドに関して再び、中国とロシアの脅威を理由に米国が所有しなければならないとの考えを表明。そのためには強硬手段も辞さない構えをみせている。

 新たな国家安全保障政策の公表直後、ベネズエラの民間船を「麻薬密輸船」として爆撃して以降、大統領拘束、グリーンランドの領有主張、さらにイラン騒乱への軍事介入示唆。イランはいったん落ち着いたが、あまりに動きが目まぐるしい。

 経済的利益のためには民主主義も人権も、法の支配の価値観さえも振り返らない。自国の勢力域とする西半球に手を突っ込む他国は力で叩き潰す。強いアメリカの再来はいいが、その言動が同盟国の動揺を広げている。

 高市首相がイタリアのメローニ首相と会談を行った。日伊は近年、経済、安全保障において急速に関係強化が進んでおり、今回は対中政策でも連携を確認した。今後はトランプ氏を大嫌いなEUとアジアに引き留めるためにも、両首相のタッグに期待が高まっている。さらに内憂外患の新年、国家、国民のための政治の実行を。(静)