先日、JR西日本和歌山支社が主催し、都市部企業の社員らがローカル線の維持や地域課題の解決に向けた実践的なビジネスプランを練る研修プログラム「ことこらぼ」の最終報告会が開かれた。

 対象自治体の1つである由良町を担当したチームは、同町・白崎エリアの「星空保護区」認定を軸とした地域活性化策を提案。審査の結果、採択され、今後本格的な社会実装に向けて動き出す。

 提案の核となる「星空保護区」は、米国のNPO団体「ダークスカイ・インターナショナル」が認定する制度だ。日本では沖縄県や岡山県など4カ所が認定されており、いずれも観光客の増加や自然保護の推進といった成果を上げている。

 地方に住む者にとって、頭上に広がる満天の星は「あって当たり前」の風景に過ぎない。しかし、その価値を再発見したのは、都市部から訪れた外部の視点であった。メンバーが魅了されたのは、白崎海洋公園を包む圧倒的な闇と、そこに浮かび上がる星々の輝きだ。

 公園の周辺は光源が少なく、星空観測には絶好の条件を備えている。白い岩の海岸線が月光や星明かりを反射し、幻想的な美しさを際立たせる光景は、まさに由良町ならではの財産といえる。

 この取り組みは単なる天体観測に留まらない。夜をきっかけに訪れた人々を、旬の海産物や由良ミカンといった特産品、さらには宿泊や体験観光へと誘い、町全体の活気へと繋げていく。

 今後は星に関するイベントなどで周知を行い、3年後の認定を目指す。当たり前だと思っていた星空が、町の未来を照らす道しるべとなる日を心待ちにしたい。(城)