歳末バーゲン、すす払い、忘年会、クリスマス、正月準備。師走、そんな言葉が順繰りに巷に踊っている。毎年同じように繰り返される催し事をこなしているうちに、あっという間に12月が終わる。

 五十路を過ぎて、前年と同じ事ができるということが、とても幸せだと感じるようになった。前年と同じようにできるということは、1年を変わらず無事に過ごせた証拠。この先もこのままの平穏が続いていけばいい。

 正直いま、こんなことを思う私に、私自身が一番びっくりしている。昔は全然こうじゃなかった。

 20代、30代のころは、同じことを繰り返すなんてダサくて退屈。常に新しいことに挑戦していくのがかっこいい。そんな頭でとにかく突っ走っていた。仕事も趣味も恋愛も全力。ちょっとでも不満があれば、もっといいものを探し求めた。ギラギラガツガツして動き回る分、失敗もいっぱいしたが、動き回らずにはいられなかったし、そうしている自分が好きだった。

 40代は、シングルマザーとして一人息子を育てるのに必死。手のかかる息子で、自分の思うように全くならないことに泣いたことも多々あった。でも、そんな息子のおかげで、自分ばかりだったそれまでの私はずいぶんと周りが見えるようになり、懐深くもなれた気がする。少々のことでは動じなくなった。

 そして今、心穏やか。マイペースで好きなことができている毎日に満足している。息子は今や、飯とこづかい以外はオカンに用なしの様子だけれど、これもまあ、成長した証。

 今年もクリスマスにはチキンとケーキを焼いて、その後は大掃除をしよう。去年と同じように。(亜)