11月22日が「いい夫婦の日」ということは比較的知られているが、当県民として忘れてはならない、和歌山県の「ふるさと誕生日」でもある。廃藩置県が行われ、郵便制度がスタートし、学校制度開始へ文部省が設置され、近代日本が本格的に動き出した明治4年(1871)の11月22日、和歌山、田辺、新宮の3県が合わさって今の県域が定まった◆自分の住んでいるのが「和歌山県」だと認識したのは、何歳頃だったろうか。覚えているのは確か小4の頃、社会科の授業で「ひらけゆく和歌山」という副読本を使って学んだこと。もう半世紀近くも前だが、21世紀になってからも同じタイトルの副読本が使われているらしいのでちょっと驚いた。表紙のデザインは青一色で地味だった昔とは違い、カラフルになっているが◆県の全図を見て、皮をむいたミカンのひと袋の形のようだと思った。ミカンどころにふさわしい、と。ミカンの生産量が日本一であることは、学ぶ以前に、冬になると箱単位でミカンをもらうことなどで実感的に知っていた◆ミカンに限らず、「日本一」という項目が和歌山県に関してはかなり多い。梅の生産量は6万1000㌧で2位の群馬県(5520㌧)の10倍以上、じゃばらは169㌧で2位の愛媛(19トン)の10倍近くと文字通り桁が違う。グリンピースは1850㌧で2位の鹿児島県(1850㌧)の3倍以上とやはり群を抜いている。他にも日本一落差の高い滝(那智の滝)、日本一長い2級河川(日高川)、日本一短い川(ぶつぶつ川)、日本一短いローカル私鉄(紀州鉄道)がある◆郷土への思いは、よく知ることでさらに深く培われる。ふるさとの誕生日を機に、子どもたちがよりよく和歌山県を知る試みがなされればと思う。(里)