「おせちのご予約承り中」の言葉が、本紙ショッピング欄にもよく出てくるようになった。地元の飲食店のみなさんがそれぞれに腕を振るうお正月のごちそうは、和の伝統定番お重をはじめ、洋風、イタリアンとさまざま。紙面づくりに使うために頂くおせちの写真は、どれも彩りよく豪華で美味しそうで、ついつい手を止め眺めてしまう。
それにしても、おせちが「買うもの」になったのはいつからだろう。わたしが子どものころは、家庭でつくるのが一般的だったように思う。
子ども心に、おせちの準備はお正月を迎えるための一大イベントで、毎年とてもワクワクした。まずは大晦日前の買い物。ふだんは母がちゃちゃっと済ませてくるのだが、この日ばかりは家族そろって、当時この辺りで一番大きかった「ジャスコ」へ出かけた。ふだんよりも人が多い店内をまわり、いつもよりも豪華なお正月食材をカートいっぱいに積み上げていくと「もうすぐお正月!」と気持ちが高鳴った。
そして大晦日。母は朝から台所に立ち、私も妹も母に段取りを聞きつつ、栗きんとんのさつまいもを裏ごししたり、煮しめのこんにゃくを手綱のかたちにしたりした。夕方、すべての料理を作り終えてオードブル皿(うちはお重を使わずオードブルスタイルだった)に盛り付けると「いよいよお正月!」と、またうれしくなった。
大人になって実家を出ても、これまでは、お正月はだいたい実家に帰っていたので、おせちづくりは母や妹の手伝いをするくらいだった。自分が主体となっておせちを作ったのはこれまでに数回しかない。今年はいっちょ頑張って、我が家のおせちをつくってみるか。(亜)


