数年前から人の名前がなかなか覚えられない。一度覚えたと思ってもすぐに忘れてしまう。2年前、仕事の担当エリアが変わったとことがあったが、新しく出会った人の名前を覚えるのが大変だった。若い頃はすべての名前を覚えられなくても、一度聞けばなんとなく頭に残ったが、最近では覚えることを諦めてしまいそうになる▼名前だけでなく、言葉そのものが出てこないことも増えた。特に最近のビジネス用語や英語表現は難関。その言葉の意味が分からないときは調べるのだが、なかなか頭に定着しない。あまりにもひどいので、「もしかして認知症では」と心配になり、病院で受診したこともある。結果は「お酒の飲みすぎが原因」とのことだった▼人間の脳は、そもそも忘れるようにできている。インターネットで調べると、忘れることは脳の健康な働きの一部で、記憶を整理する大切な機能だという。重要な情報を保持するためには、不要な情報を捨てることが必要不可欠。忘却は情報の取捨選択を行い、新しい記憶を獲得するためだという▼人は本能的に楽しいことよりも危険を避けるために嫌なことの方が頭に残るという。だから過去を振り返ると、忘れっぽい筆者でさえ、嫌な思い出ばかりが頭に浮かび、自己嫌悪になることもある。それも反省の材料としては大切かもしれないが、あえて過去を振り返らないのも一つの方法かもしれない▼11月も中旬に差しかかり、そろそろ一年を振り返るテレビ番組や新聞の記事が出始める頃になったが、「忘れてしまっても構わない。先のことだけを考えよう」と自分に言い聞かせるきょうこの頃。あと、病院の先生に言われたように、お酒の飲みすぎには注意しようと思う。(雄)