千葉県の市川市役所に展示されていたプロカメラマンの写真が、1件のクレームで撤去された。撮影されたのは8月の花火大会。経緯をたどると、カメラマンが自身の写真を無償で市に提供し、市役所内に展示されたところ、「プロ写真家の作品を名前入りで掲示するのは宣伝につながりかねない」と市民から指摘を受けた。この声に対して市は、「不快と感じた人がいた以上、展示は差し替えるべき」と写真を撤去した。しかし、この一連の市の対応にインターネットなどで「撤去するのはおかしいのではないか」などと疑問の声が上がり、最終的に市長がSNSで「市の対応が誤っていたと認めざるを得ない」とし、撤去された写真は再び公開された▼些細な言葉尻を取り上げて批判する風潮も目立つ。最近では高市早苗総理が自民党総裁就任時のあいさつで「馬車馬のように働いていただきます。私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます」と述べ、一部から「時代に逆行している」「人間は馬ではない」などの批判が相次いだ。個人的には意気込みを語っただけで、そう感情的になるほどのことではないと思うのだが▼最近は物事に対して周囲が過剰に反応し過ぎているのではないか。些細なことまで批判すると、事業の主催者側が人の顔色ばかりを伺いながら物事を進めてしまう恐れもある。政治家の与野党間での批判に関して言えば、上げ足を取るだけの内容だと、国会議員の品格を落としてしまうことも▼行政手法や政治家の発言や態度に対しては批判があって当然だ。しかし、何かにつけて目くじらを立てるのは良いことなのか。それとも何に対しても批判できる平和な社会を重視すべきなのか。(雄)


