5日の世界津波の日を前に、JR西日本は31日、みなべ町と合同で電車走行中に巨大地震が発生したと想定した訓練を実施。町内の全中学生約300人が乗客となって臨時列車を運行し、緊急地震速報とともに緊急停車した車両から線路に降りて避難を実践した。小雨の降る中も生徒たちは安全に注意を払いながら素早い行動で避難場所に逃げ、率先避難者となる意識を高めた。

JR南部駅から生徒と教職員、役場職員ら総勢330人が4両編成に乗り込み、いったん、紀伊田辺駅へ。車内ではJR職員から「想定にとらわれない」「最善を尽くす」「率先避難者となる」の津波避難三原則についてあらためて説明を聞き、車両から線路に降ろす避難はしごの使い方を学び、生徒も実践した。
9時55分に紀伊田辺駅を出発したあと、紀伊半島沖を震源とするマグニチュード9・1の巨大地震が起こり、みなべ町で震度7を観測、津波警報が発令されたと想定。南部駅まで約400㍍地点の第二南部トンネル付近で、後ろ2両がトンネル内という状況で緊急停車。揺れがおさまるまで車内に待機し、片側のドアをすべて開放した。生徒たちは避難はしごを伸ばして後ろ向けに降りたり、飛び降りたりして線路上を素早く避難。JR職員は「津波がくるぞ、速く逃げろ!」と大声で迅速な避難を後押しした。近くの一次避難場所に指定されている医王寺(埴田)に逃げる予定だったが、雨のため近くの広場に変更。数分で避難が完了し、点呼で全員の無事を確認した。
南部中学校体育館に集合して閉会式が行われ、井戸和彦教育長は「きょうは電車に乗車している想定だったが、地震はいつどこで、どのような状況で起こるか分からないことをあらためて認識し、どんな場面でも避難できる力を身に付けてほしい」と講評した。南部中生徒会長の汐崎禅君(3年)は「まさかトンネルの中で止まると思っていなかったが、うまく避難できた。初めてだったが、すごくいい経験になった」と話していた。


