10月のテーマはNHK朝ドラ「ばけばけ」のモデル、ラフカディオ・ハーン。その曾孫によるエッセイをご紹介します。

 「怪談四代記 八雲のいたずら」(小泉凡著、講談社文庫)

 著者はハーンとセツの長男小泉一雄の孫に当たる民俗学者。やはり全国を旅しています。

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 鳴子温泉には2013年の2月、40年ぶりに立ち寄った。(略)奥から女将さんが出てこられた。しばらく私の顔を眺めて、こう言うのだ。
「お客様、失礼ですがどこかで見たことあるような気がするんです。もしかして小泉八雲さんと関係がある方ではないですよね?」
「はい! でもどうして…」

 と答えると、女将は、「やっぱり!」と満面の笑みを浮かべた。
「実は、私は紺野美沙子の親戚に当たる者です。つい最近、朗読座が『日本の面影』という小泉八雲の生涯を描くお芝居をしまして、紺野美沙子が小泉セツさんの役をやりましたよね。その時買ったパンフレットに出ていた方ですね。ようこそ、お寄りくださいました」