2011年9月の紀伊半島豪雨で被害を受けた日高川町の上入野地区の農地復旧工事に関し、町は事業費の一部を納める地元負担金の消滅時効(5年)を過ぎていたにもかかわらず、受益者14人から計約560万円を徴収していたことが分かった。
大水害で日高川が氾濫し、12、13年度の2年間で農地や水路などの復旧工事を実施、14年3月末に完了。事業費は9039万4500円で、地元分担金は7%に当たる632万7614円だった。町は受益者の上入野農地組合に地元負担金の納付を要請したが、前町長が当時、「7%のうち5%を町が負担する」という趣旨の発言をしていたため、組合側は「町負担の減額分が差し引かれていない」という理由で納付を拒否。その後、前町長が退任となったが、町は他の地域と公平を重視する7%の受益者負担を要求していた。町と受益者側で膠着状態が続く中、19年3月30日に時効を迎えて請求権が消滅となったにもかかわらず、町側は時効に対する認識を欠き、同年12月、組合員個人への請求に切り替えて再度納付を求めた。受益者17人のうち14人が同年から22年にかけて559万7289円を納付。今年8月になって外部から時効消滅に関する指摘を受け、時効成立を認識し、町は全額返金することにした。
久留米啓史町長は「今回の負担金の性質が税金などと同じ公債権であるという知識不足があった。心よりお詫び申し上げます。職員に対して適正な事務処理、特に債権回収に当たっての知識を深め、二度とこのようなことが起こらないように徹底し、町民の信頼回復に全力で努める」としている。


