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6月のテーマは「米」。来年のNHK朝ドラ主人公のモデルでもある作家、宇野千代のエッセイをご紹介します。
「私の作ったお惣菜」(宇野千代著、集英社文庫)
「おはん」「色ざんげ」「生きて行く私」等で知られる著者が、故郷の山口県岩国の味などを中心に「お惣菜」をつくりながら、その味にまつわる思い出などを語った一冊。当地方の昔ながらの朝食でもおなじみ、茶粥も登場します。
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「新茶濃き 香に立ち 岩国茶粥煮ゆ」
茶粥を米から作るときには、御飯を炊くときのように、丁寧にとぐ必要はありません。サッと洗っただけで好いのです。白い水が残っていても構いません。おいしい茶粥は、米が煮え過ぎて糊のようにならないで、サラリとしていることですね。(略)こんなのは、今風の上等の茶粥のことですけれど、昔はもっと粗末だったらしく、庶民の茶粥は残った冷や飯を利用したと言う話です。お茶も出がらしを更に煮立てて使ったとか言う話です。昔の人はこんな風に、米を大切にしていたのですね。


