今月15日公示、27日投開票の見通しとなっている次期衆院選の和歌山新2区に、元自民党の世耕弘成参議院議員(61)が、無所属でくら替え出馬する意向を固めたことが分かった。5日に後援会緊急総会を経て正式表明する。2区には自民党公認を受ける新人の二階伸康氏(46)がすでに立候補を表明しており、保守分裂の激しい戦いが予想される。
世耕氏は1998年、参院に初当選し5期目。官房副長官、経済産業大臣などを歴任し、2019年9月から連続で自民党の参院幹事長を務めていたが、同党の政治資金問題を受けて昨年12月14日、参院幹事長を辞職。今年4月4日には党から離党勧告の処分を受け、この日のうちに離党していた。自身、将来的に首相を目指す考えを公言、以前から衆院へのくら替えのうわさが取りざたされており、最近では地元での集会への参加や、有力者の案内を受けてのあいさつ回りなどの動きが活発化していた。和歌山事務所によると、5日に田辺市で開かれる後援会の緊急総会で承認を得て、その後会見の場を予定している。
2区では自民党政治資金問題を受けて今期限りの引退を表明している二階俊博元幹事長の三男の伸康氏が今年5月、県町村会などの要請を受けて立候補を表明。8月23日には党公認候補となる和歌山2区支部長に選任され、各地で励ます会が開かれている。ほか共産党新人の楠本文郎氏(70)、無所属新人の本間奈々氏(55)も出馬を予定している。
今回の衆院選は小選挙区を「10増10減」する改正公職選挙法が2022年12月に施行されて以来、初の選挙。和歌山県は3区から2区に減り、新2区は前2区の橋本、海南、有田市などと、日高地方を含む前3区の自治体が加わり、27市町村に再編。