解体中の御坊市役所旧庁舎を使った訓練で、がれきの中からけが人(人形)を助け出す消防と警察の隊員

 御坊市、日高広域の両消防と御坊警察署は21日、解体中の同市市役所旧庁舎で、救助救出3機関合同訓練を行い、技術の向上や連携の強化を図った。

 地震によって旧庁舎内で崩落があり、けが人が閉じ込められたと想定。3機関合わせて38人が参加した。

 県警の災害救助犬が捜索を行い、山積みになったがれき内の3カ所でけが人を発見。それぞれ救出活動を展開した。

 消防は手でがれきを取り除き、けが人を救出。警察はがれきを取り除いた後、エンジンカッターで金属製のダクトを切り開いた。いずれも「大丈夫ですか」と声をかけながら、本番さながらに一連の救出を実践。このほか、進入、退出路を確保するため壁や床を破壊するブリーチング訓練を行った。

 鉄筋コンクリート造りの実際の建物を使った訓練。御坊市消防の由良成幸署長は「大規模災害等が発生した際は、消防と警察の連携協力が必要となり、災害現場でその関係性は地域住民の安心安全に直接リンクしていくもの。今回のような訓練を通じ、お互いの顔が見える関係性を築くことは、各機関にとって非常に有意義で今後の活動に生かされていくと信じています」と講評した。