AI(人工知能)や生成AIという文字を目にしない日はほとんどない。目を通している大手新聞にも毎日、どこかのページで必ずAIが見出しに使われている、といっても過言ではない。AIの法規制議論が国内でもようやく始まろうとしている、そんな内容の紙面が最近では目立つ。筆者は恥ずかしながら知識はほとんどなく、昨年チャットGPTが登場して話題になったころにようやくAIというものを身近に感じた程度。チャットGPTは質問をテキスト入力するとすぐに回答してくれる便利なツールで、結局は人がどう使いこなすかが試されている。

 生成AIは世界で急速に発達していて、犯罪への悪用や偽情報を流すためにも使われている。生成AIが写真や声を本人そっくりに作成して犯罪に使ったり、見極めが難しいほど精巧なフェイク動画も生み出されている。AIを規制する法律の議論がニュースとして取りざたされるのもうなずける。AIを包括的に規制する欧州連合の「AI法」が理事会で成立したというニュースがつい最近大きく報道されたのが時代を反映している。

 もちろんAIは悪者ではない。AIが人々の生活を支えているのも事実。AIを活用した犯罪予測が外国ではすでに効果を上げていたり、国内ではAIと航空レーザー測量で得られた地形データを組み合わせ、未知の遺跡を発見するシステムが実際に成果を上げているなど、明るいニュースもたくさんある。やっぱり人がどう使うかの問題なのだろう。人にはAIにはない感情がある。AIをうまく活用して人の生活がより豊かになるような社会になってほしいなと思う。(片)