先日、スマホのLINEに見知らぬ人からグループへの招待が来た。投資についての勉強や情報交換をしようというような感じの内容だったので、新聞やテレビで注意を呼びかけていた詐欺の手口だと思ってすぐに削除した。同じ招待は一日だけ3回来て、次の日からはまったく来ていない。グループに追加していたらどんなやり取りになったのか分からないが、そのうち個別にLINEがきて言葉巧みにだまそうという魂胆だろう。自分のLINEIDをどうやって知ったのかという単純な疑問も残る。

 詐欺は次々と新しい手口が出ていて、被害は後を絶たない。筆者が警察担当をしていたころは息子や孫になりすまして電話をかける「オレオレ詐欺」や身に覚えのないサイト閲覧料などの架空請求はがきが横行していたが、時代とともに今はインスタやフェイスブックなどSNSを通じただましの手口が増えている。今年から始まった新NISAなど投資への関心が高まっていることに乗じた詐欺の手口が急増。県内でも被害に遭う人が後を絶たない。

 前澤友作氏や堀江貴文氏ら影響力ある著名人らの写真を無断で使用した詐欺が急増し、有名人が勧めているのだからと信用してだまされる人も増えている。生成AI(人工知能)で作成された動画も横行しているのが現状。何が本物で何が偽物なのか、見分けがつけにくくなっているのは確か。すぐに儲かるといわれるとつい乗ってしまう気持ちも分かるが、甘い話はないという原点に立ち戻ろう。子どもの進学資金、老後の生活資金をすべてなくしたというケースが報道されている。大切なお金を守るため、まずはニュースに敏感になってほしい。(片)