プロポーズにふさわしいロマンチックなスポットとなる「恋人の聖地」。NPO法人地域活性化支援センターが全国各地で選定を進めているプロジェクトだ。和歌山県内はヨーロッパの雰囲気が漂う和歌山市内の和歌山マリーナシティ、黒潮が激しくぶつかり合うダイナミックな景観の白浜町三段壁の2カ所あり、かつて恋野村があった橋本市恋野地区でも認定を目指して取り組んでいるそうだ。うち三段壁は2016年4月に恋人の聖地に選定されたのを機に、展望台近くにはハートのモニュメントを設置。2人の愛を誓う南京錠を付けることができる仕掛け作りを行うなど、多くのカップルが訪れるスポットに。昔からあった「自殺の名所」のイメージが一新されているという。

 御坊市でも日高港塩屋緑地「Sioトープ」を恋人の聖地として発信する。親水池には珍しいハートマークが入った鯉をはじめ約200匹の色とりどりの鯉が泳いでおり、恋と鯉をかけてプロポーズにふさわしい、さらに愛を深める場所として売り出す。年間23万円の参画負担料がかかる同センターの恋人の聖地の選定を目指すわけではないが、恋(鯉)みくじのガチャガチャを設置するなども考えているそうで、アフターコロナの波に乗りたいところ。

 Sioトープと言えばゲゲゲの鬼太郎の妖怪像があり、こどもまつりのイベントもにぎわうなど、地域の交流拠点として人気があったが、最初は海水の池で夏場の藻の除去作業に職員も汗を流して苦労していたのを思い出す。淡水に切り替えてからはや7年。三段壁のように新たなイメージが定着し、一層の人気スポットになることを期待したい。(吉)