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2024年、甲辰がスタート。今月のテーマは「龍」とします。
「怪物の友 モンスター博物館」(荒俣宏著、集英社文庫)
博覧強記な著者が、世界中の幻獣とエピソードを紹介。龍については風水学、民俗学、博物学等の観点から縦横に語られます。
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龍は、ひとことで言い尽くせば「気」の流れである。大地に生命力を与えるエネルギー流、「気」そのものの表現である。その事情をもっとあきらかにするのが、「風水」における龍脈だろう。(略)
龍脈は山脈の尾根から稜線を走り降りる気のエネルギーであり、蛇行しつつ空を走り降りる龍の動きになぞらえられるものであった。(略)
龍とドラゴンに関連づけられる第一の意味だが、これは断然「水」であろう。(略)水中にある宮殿「龍宮」、出水口を示す「龍吐(水道が普及してからは『蛇口』となって一段格が落ちた)」、地上と異界を結ぶ「龍船」などがそれである。(略)
水の工面が生命線といえる都市建設や農地開拓にあたって、西洋では「ドラゴン退治」という特異な意匠が生まれている。(略)東洋人は龍を殺す代わりに、龍の魔力の源泉である玉を手に入れる。龍の玉を手に入れる話は「竹取物語」をはじめ数知れぬほど語られるが、多くの場合、龍玉とは動物の体内から得られる結石である。