導入した大型ドローンと中村さん

 コロナ禍を経て新分野への参入や業種転換などに取り組む事業者を支援する県の事業再構築チャレンジ補助金を活用し、御坊市湯川町富安、花と緑の総合卸・小売・造園業ナーセリーナカムラの1級造園技能士・中村友哉さん(31)が、ドローンを使った農薬と肥料の散布代行サービスをスタートさせた。

 同様のサービスは日高地方で美浜、日高川町などですでに行われているが、農家の高齢化が進む中で重労働となる農薬や肥料散布代行のニーズは高く、完全にカバーできていない状況だという。

 中村さんが導入した大型ドローンは事前にスマートフォンで散布面積などのデータを入力して飛行させる完全自動航行式で、農薬などをムラなく、スピーディーに散布できる。1反当たりの散布作業は人が散布機を使ってすれば30分ほどかかるが、ドローンならわずか1、2分で終了する。主に代行サービスは稲が成長してくる7、8月を想定しており、「周辺地域で農業をしている人は70代以上が多く、ホースを引っ張って農薬を散布したり、肥料袋を担いで傾斜地を登ったりするのは大変。少しでも助けになるとともに、重労働から解放されることで、高品質生産や作付け面積の増加にもつながれば」とし、スマート農業の促進にも一役買う。

 代行サービスはスタートキャンペーンとして1人3反まで、1反当たり税込み3000円(農薬代別)の割安で実施。30人限定。問い合わせは℡0738―23-5023。