全国的に自治体の財政状況が厳しい中で、地方の行政マンはいかに自分の懐から使うお金を抑え、国や県からたくさんのお金を引っ張ってきて、最小の経費で最大の効果を上げるかが肝心。自らの知恵を絞り、汗をかくことが求められている。22年度決算まで3年連続で黒字決算となっている御坊市も同じこと。市は貯金を示す財政調整基金が25億円以上あるといっても、経常収支比率が依然高く、楽観視できる状況ではない。

 そんな中、旧御坊町の地籍調査事業を国が14条地図作成という形で肩代わりしてもらえるような見通しがつきつつある。先日、三浦市長が小泉法相に対して地籍調査事業が未着手となっている旧御坊町について、国の14条地図作成を要望。二階衆議院議員の後押しもあって、小泉法相が前向きな姿勢を示した。

 14条地図とはあまり聞き慣れないが、実はそんなに難しい話ではなく、土地の面積や距離、形状などを正確に把握し、境界を示せる地図で、国が作成。自治体の地籍調査と同等のもので、旧御坊町で国が14条地図を作成すれば、市が地籍調査をしなくてよいため、事業予算がいらないし、国の事業と並行することで、市内全体で地籍調査のスピードアップが図れる。地籍調査が完了していることは地震、津波などの災害時の復興スピードに大きくかかわってくることから、一日も早く全域が完了すべきなのは言うまでもない。

 14条地図作成適用には人口密集地など一定の条件をクリアする必要があるが、旧御坊町の一部は合致しており、これを活用しない手はない。ここは目に見えないようで大きく影響する政治力がものを言う。(吉)