統一地方選挙の前半戦となる県議選がきょう31日告示され、4月9日の投開票に向け、9日間の戦いに突入する。御坊市選挙区(定数1)は共産党現職の楠本文郎氏(68)=塩屋町南塩屋・1期=と、自民党元職の中村裕一氏(63)=熊野・8期=が立候補を予定し、4年前の前回と同じ顔ぶれの一騎打ちが濃厚。日高郡選挙区(定数3)はいずれも自民党現職の3氏が出馬予定で、8年ぶりの無投票の公算が大きい。

 御坊市選挙区の前哨戦の状況をみると、楠本氏は今月4日、事実上の決起大会となる日本共産党県政・国政報告会を開催。19日には後援会事務所開きを行い、組織の結束を図った。街頭演説は17日から19日までと24日から26日までの6日間、市内の計108カ所で実施。初当選から4年間の県議会活動を報告し、県政に対する取り組みや思いを伝えた。市民からは「住民の声を聞いてくれる」「精力的に活動してくれる」「続けて頑張ってほしい」という声が多く、住民の期待を感じているという。4年前の選挙当時に立ち上げた「くすもと文郎はげます会」の会員数も約2600人に。「やりたいこと、やらなければならないことがいっぱいある」と意欲を示し、「安心・元気な御坊へ」をスローガンに再選を目指す。

 中村氏は昨年6月に出馬表明。久美子夫人とともに各地で朝の辻立ちを行い、有権者との向き合い方に対する自身の変化をアピール。自民と連立を組む公明党をはじめ、JA紀州や日高医師会など各種団体・企業から約100件の推薦を受け、前回は相手陣営を推した薗地区からも応援を受けるなどの選挙体制を整える。一方で組織力だけに頼らず、自らが精力的なあいさつ回りを行って草の根に徹してきた。2月19日には二階俊博衆議院議員を迎えて後援会事務所開きも行い、自身が「これがラストチャンス」と背水の陣の戦いであることを強調。防災対策や高齢者福祉、国、県、市へのスムーズな予算確保の実現などを訴え、返り咲きを目指す。

 日高郡選挙区では冨安民浩(75)=日高町高家・8期=、坂本登(76)=みなべ町南道・6期=、玄素彰人(49)=印南町印南・1期=の3氏が出馬予定。以前は新人のうわさもあったが、現在は消えており、一日限りの街宣となりそうだ。

 告示日の31日は午前8時半から午後5時まで、日高振興局で立候補届け出を受け付ける。楠本陣営は御坊地内、中村陣営は薗地内、冨安陣営は高家地内、坂本陣営は南道地内の事務所でいずれも午前9時から出陣式を行う。玄素陣営の事務所は印南地内で、出陣式は予定していない。