美浜町長・町議ダブル選が12日投開票され、町長選は現職籔内美和子氏が2選を果たしたのは既報の通り。元職との一騎打ちをダブルスコアで勝利したのは、1期目でふるさと納税を飛躍的に伸ばして財政の蓄えを大幅に増やしたことや、コロナ禍の中でも公約を実行した手腕が有権者に高く評価された表れといえるだろう。選挙戦突入が決まってから多くの住民と話をさせてもらったが、「(町政を)ちゃんとやってくれている」と答える人が多かったのが印象的だった。その結果が得票数につながったといっても過言ではないだろう。

 敗れた森下氏はやはり出遅れが致命傷になり、挽回するだけの時間が圧倒的に足りなかった。それでも選挙戦になったことで、町民は候補者の訴えに耳を傾け、直接対話することで思いを伝える機会ができたことは非常に意義深いことだった。籔内町長も住民の声を励みに、またこのまちのかじ取り役を任された責任感を改めて感じたことだろう。人口減、少子高齢化は今後ますます深刻になっていく。農業や漁業など地場産業や観光の振興策など課題は山積。公約を一つひとつ実行し、4年かけて町の課題を少しでも解消してもらえることを期待している。

 町議選も含めて告示から5日間、各陣営の訴えや必死の運動に、町民も大いに関心を持ち、いい選挙戦だった。選挙ではライバルでも、終われば町をよくしたいと志を持った同志。籔内陣営の祝勝会で塩崎治後援会が「選挙が済めば敵も味方もない、みんな同じ町民」とあいさつしていたが、全くその通り。籔内町長を船頭に、町民みんなでオールを漕いで、人口減など町政の荒波を乗り越えていこうではないか。(片)