16日閣議決定された安保関連3文書の改定に関し、今後、国家防衛戦略と防衛力整備計画に基づき、大規模な組織再編、人員・装備の拡充が進められる自衛隊関係者からは歓迎の声が上がる一方、国民の間では「反撃能力は(国際法違反の)先制攻撃だ」「戦争への道を勝手に決めるな」などと不安や反対の声が聞かれる。日高地方でも国防強化へ一歩前進と肯定的な人もいれば、昭和の戦争で親族を失った人と憲法改正に反対の立場の人とで賛否が分かれるなど、受け止めはさまざま。その一部の声を紹介する。
ウクライナがロシアに侵攻され、大きな被害を受けた。仮に日本もどこかの国から攻撃を仕掛けられれば、ウクライナと同じようなことになる。戦争は絶対にしてはいけないという気持ちは誰もが同じ。防衛力を強化することで、いまの平和を守ることにつながる。反撃能力を保有することも、平和を維持するために必要だ。(昭和の戦争で父親の兄と弟が戦死した日高町の男性71歳)
憲法9条はあくまで武力を持たないことを世界に宣言していると理解している。北朝鮮のミサイル問題、中国との尖閣諸島などをめぐる緊張、ロシアによるウクライナ侵攻など国民全体が不安を持つのは否定できないが、敵基地攻撃の反撃能力を保有して「武力対武力」となると、やるかやられるかまで終わらなくなってしまう恐れがある。それよりも話し合いや外交、他国に間に入ってもらって解決する方法を検討する方が先だ。武力を高めていくことは基本的に反対。(みなべ町でみなべ九条の会代表世話人を務める無職男性80歳)
「反撃」という言葉が怖く、戦争につながるイメージを持ってしまいます。安全保障はいままで人頼みのような感じだったけど、自らの国を自らの力で守らねばならない時代になってきたのかと思いました。財源についても国債は限りあるものだと思うので、税金で賄うための制度をつくることも致し方ない部分はあるのでは。(日高川町の主婦60代)
今回の決定には、明治の国策「富国強兵」を思わせられました。私は終戦時10歳、戦争をはっきり覚えている最後の世代ではないかと思いますが、戦争を知らない子や孫の世代が大きくなったいまになってこんな世の中になってくるとは、このままでは死ねないという思いです。増税によって国民生活にも影響が出るし、十分な議論を尽くさず強行するような形での決定にも問題があると思います。国と国との争いは、相手を追い詰めるようなやり方ではなく、まず外交で解決する努力をすべきです。(日高町の無職女性87歳)
隣国から日本の排他的経済水域内にミサイルを着弾させられても、何も言えないわが国政府が本気で取り組むのか不安もありますが、ことが起こってからでは遅く、反撃能力ではなく、侵略をためらわせるほどの攻撃力を持つ必要があると思います。また、世界で唯一、核(爆弾)を落とされたわが国として、核による抑止力も議論ぐらいしてもよいのではないでしょうか。そのためには増税ではなく、防衛国債の発行やふるさと納税のような防衛納税の仕組みも考えてもらえたら、国民として進んで協力したいと思います。やはり安倍元首相の死は大きい。(印南町の団体職員男性52歳)


