サッカーのFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会の日本の戦いは終わった。決勝トーナメント1回戦でクロアチアと対戦し、1―1からのPK戦の末に敗退。悲願の8強入りはならなかったが、グループリーグでは優勝経験のあるドイツとスペインの強豪に勝利。日本中が沸き返り、人々に感動と勇気を与え、今後の躍進に期待を持った人も多いのではなかろうか▼日本代表の過去の戦いぶりを振り返ってみると、1993年のイラク戦(最終予選)で、試合終了間際まで2―1でリードしていながらロスタイム残り数秒で同点ゴールを入れられ、ほんの少しで本戦出場がならなかった「ドーハの悲劇」を経験。当時は本戦出場が目標だったが、次の大会(98年)で初めてそれが叶い、その後は今回を含めて7大会連続出場となった。目標も「本戦出場」から「8強入り」へと変化し、今ではその上に「2050年までに優勝」を掲げている。世界との差は着実に縮まっているのは確かだ▼誰もが目標を持ち続けて生きている。人によっては「将来、宇宙に行きたい」「オリンピックで優勝したい」という大きな目標を持っている人もいるだろうが、「きょうの仕事はここまで終えよう」「学校に遅刻しないように準備をしよう」などという小さな目標もある。目標を一切持たずに生きている人などはいないのかもしれない▼その中には利害関係など一切なく、心の底から物事を達成したいという強い気持ちを持ち続け、ひたむきに努力している人もいる。ただ単に好きなことを極め、頂点を目指して挑戦したいという心だけが存在する。その姿は達成の有無に関わらず美しい。今回のワールドカップの日本代表がそれを見せてくれた。(雄)