朝刊を取りに玄関を出ると、ひんやりとした空気が心地よい季節となった。待望の全国旅行割がスタートし、久しぶりに遠くへ出かけようかという方もおられようが、新聞の1面の見出しを見るたび、どうしても顔が曇ってしまう。
今年は2月のロシアによるウクライナ侵攻、4月のIR誘致計画案否決、7月の安倍元首相暗殺など、思わず声が出るほど驚く出来事が相次いだ。食料品やエネルギーの高騰で日本人の物価が押し上げられ、この苦境はまだしばらく続くとみられている。
さらに為替は円安が続き、米国はなお金融引き締めの手を緩めず、日銀は断固、大規模緩和を続ける方針。先の市場介入も効果は一時的で、いっこうに賃金が上がらぬまま、どれほどの国民がこの割引旅行の果実を実感できるのか。
米国の最新の雇用統計は増加ペースが低下傾向を示したものの、景気は依然として過熱気味。市場はさらに利上げの見方が強まり、円安は持ち直しの兆しも見えず、政治は中間選挙を控え、バイデン大統領とトランプ党の対立が激化している。
北朝鮮は先月下旬以降、弾道ミサイルを打ちまくっており、近く核実験の強行が懸念される。ロシア、北朝鮮の国際法、国連決議違反を止める術がなく、台湾海峡の緊張も高まるなか、日本人に光は見えない。
体感的にこれほど衝撃的な出来事が続くのは、グリコ・森永事件、日航機墜落、豊田商事会長刺殺、PL学園の対東海大山形戦大勝(29―7)、G5プラザ合意などがあった1985年(昭和60)以来のような気がする。
そういえば、あの年はもう一つ、忘れられない事件があった。わが栄光の阪神タイガースの初の日本一。あれから37年、史上最大の下剋上はあるか。(静)


