先の参院選で躍進した日本維新の会が騒がしい。代表がかわり、全国政党を目指して本腰を入れ始めた矢先の先月21日、国会法の改正や旧統一教会問題への対応など、6つの項目に関して立憲民主党と国会で共闘することを発表した。

 前の代表の松井大阪市長は選挙協力に発展する可能性について、共闘とはあくまでも臨時国会での対与党、政策に関する是々非々の協力であると強調。そのうえで「今後、もしそんなようなこと(選挙協力)があれば、維新反対キャンペーンを張って徹底的にたたく」と否定した。

 これを執行部批判と受け取ったか、立民の泉代表は「引退間近で、ちょっと老害的な発言だ」とし、松井氏もすぐさま「もうちょっと社会人というか、人として修行を積んだ方いい」と返すなど、皮肉の応酬が止まらない。

 28日には日本維新の母体である大阪維新の会大阪府議団が、「都構想をめぐって敵対してきた立民と共闘するといわれても、われわれは何の説明も聞いていない」と、立民との共闘合意に断固反対を訴えた。

 これには松井氏が「共闘は選挙協力ではない。言葉に過剰反応するのは幼稚だ」とし、事前に聞いていないから反対という理屈には「アホか。俺も(事前に)聞いてないけど、やってることが正しければそれでええやないか。一番偉いおのれが聞いてないから反対? 偉なったのぉ、大阪維新府議団。お前、どんだけ偉いねん」と突き放した。

 和歌山県では来月の知事選の候補者擁立をめぐり、自民党県連の内部で意見が分かれ、一度は決着したかに見えた決定が覆った。その凄まじい闘争の現場では、維新の内輪もめと同じ不満も聞かれた。泥仕合に「とほほ…」な松井氏を笑ってはいられない。(静)