県内に甚大な被害を出した紀伊半島大水害から11年。当時、マリアナ諸島で発生した台風12号がゆっくりと北上し、9月3日に高知県東部に上陸。紀伊半島に2000㍉を超える大量の雨を降らせ、和歌山、奈良、三重の3県を中心に河川の氾濫や、土石流、深層崩壊が多数発生した。和歌山県でも死者・行方不明者あわせて61人を出す大惨事となった。
日高地方も3日深夜から4日未明にかけて未曾有の豪雨。日高川が氾濫、各地で浸水被害や土砂災害が発生するとともに、道路や電気、通信などのインフラが寸断され、住民生活に大きな爪痕を残した。みなべ町で1人の死者、日高川町で死者と行方不明を合わせて4人の犠牲が出た。
当時、筆者の取材担当エリアはみなべ町だった。道路の土砂崩れによって清川地区が孤立。他の地域でも地滑り、土砂で水の流れを堰き止める小規模な土砂ダムの発生もあった。ライフラインの飲み水が断水し、役場職員が給水車で配水を行ったほか、長期間にわたって停電が発生した地域もみられた。どれも今まで体験したことのないような被害ばかりで、自然の脅威をあらためて感じさせられた。その水害から10年以上が経過。当時感じた生々しい被害の様子は記憶の中で薄れてしまいがちだが、人々がその時に得た教訓は未来へしっかりと継承していかなければならない。
今、沖縄の近くに非常に強い台風11号があり、3日から4日にかけて東シナ海を北上する見込み。今後は近畿地方にも影響を及ぼす可能性がある。どんな災害にも事前の準備といち早い避難が共通した対策。今一度、備えに対する点検が必要だ。(雄)


