曲がりがきつい 「五味のカーブ」

 みなべ町西本庄地内、国道424号の通称「五味のカーブ」の急カーブ解消に向けて、県が本格的に事業着手した。曲がりがきつく視界が悪いため死亡事故も起きたことがある交通の難所で、ルートを見直してカーブを緩やかにする。町では五味のカーブとともに、カーブへ続く「四郎橋」の架け替えも強く要望している。

 国道424号は海岸線の国道42号から南部川に沿って同町を北上し、田辺市龍神村までをつなぐ主要幹線道路。五味のカーブは西本庄の天王神社の前にあり、車道幅6㍍の2車線で幅2・5㍍の歩道も整備され、十分に広いルートとなっているが、南から北に向かって半円を描く急な右カーブが続いている。町によると、2013年に大型ダンプが沿線の民家へ突っ込み、19年9月にはバイクによる死亡事故も起きた。

 五味のカーブの南、南部川に架かる四郎橋(延長73㍍)は1960年に供用開始。車道幅員は5・5㍍で、幅2・5㍍の歩道も設けられているが、大型車が対向するには道幅が狭く、橋の手前で待機するなどしている。いずれの改良も地元住民から要望があり、町も県に対して以前から要望していた。

 「3桁国道」と呼ばれる道路の管理や改良は県が実施。日高振興局建設部道路課によると、五味のカーブの解消に向けては沿線の山を削るなどの線形改良に取り組む方針が決まり、先月下旬から現場の測量・設計に入った。完成時期は未定だが、「早期に」としている。一方、四郎橋は見通しのよい直線ルートであり、2009年には耐震補強もされていることから、現時点で架け替えの計画はないという。

 小谷芳正町長は「みなべ町と龍神村の境界にある切目辻トンネル(国道424号)の新築工事が完成すれば、龍神方面から人がやって来て一気に交通量が増える。地域住民の安全、安心のため急カーブ解消と橋の架け替えの早期実現を要望していきたい」と話している。