先日、プロ野球・日本ハムの「ビッグボス」こと新庄剛志監督が、特殊詐欺の被害を防ぐため、警視庁の「STOP!詐欺」広報大使に就任。東京で開かれたイベントに警察官の制服姿で登場した様子をテレビで見た。新庄監督は「自分もお金をすごく稼ぎ、信頼している人に任せてだまされた。詐欺(被害者)の気持ちはよく分かる」とあいさつ。「詐欺をストップさせるために動いていく」と語った。

 県内の今年6月末現在、上半期の特殊詐欺被害認知件数は41件で前年同期と比べて6件増加。被害額も約6300万円で約2900万円増えている。御坊署管内でもオレオレで1件。息子を名乗る者から電話があり、「決算期でお金がいる」と言われ、現金120万円を振り込んで、だまし取られる被害が出ている。

 同署管内では、電話で自治体職員等をかたって「還付金がある」と言い、言葉巧みに個人情報(支店、口座、暗証の各番号)を聞き出したうえで、電話をかけられた人に代わって不正にインターネットバンキングの利用手続きを行い、預貯金口座をインターネットを介して自由に操作できる状態にしようとする手口が増加。他府県では実際に被害も出ているという。個人情報を聞かれても答えず電話を切るのが重要だ。

 取材を通して、詐欺犯人は相手を不安に陥れ、冷静な判断力を奪う印象があるが、誰かが「おかしい」とひと声かけられれば、被害を防げる可能性があると思う。県警の「ちょっと確認0120―508―878(これはわなや)」をはじめ家族や友達、本紙でもいいので、何とか慌てず誰かに相談。そのためにも、人ごとではなく自分ごととして、意識を高く持っておこう。(笑)