鹿島(写真奥)に向かって神事を行う参列者

 みなべ町埴田、鹿島神社で1日、奉納花火祭の神事が行われ、総代26人が参列した。

 江戸時代、1707年(宝永4年)と1854年(安政元年)の地震で大津波が打ち寄せてきた際に、南部湾の鹿島から怪火が現れて津波を東西に分けたという言い伝えがあり、「鹿島の大明神が守ってくれた」と毎年感謝の気持ちを込めて実施。今年も新型コロナの感染予防で夜の花火は中止して神事のみとなった。

 南部海岸では亀井隆行宮司が沖の鹿島に向かって神事を務め、潮汲みや玉串奉てんなどが行われ、神恩感謝の気持ちを込めて音のみの花火が打ち上げられた。引き続き神社の本殿でも神事が行われた。

 葛城知則総代長(83)は「コロナで花火中止は残念だが、仕方がない。秋祭りはやる、やらないと言っていても始まらないので、いまは実施する方向で準備を進めたい」と話していた。