他のスポーツもそうかもしれないが、私が担当する陸上競技もシーズン真っ盛り。あらゆる世代でさまざまな規模の大会が毎週のように開催されている。

 今年は、地元勢5人がインターハイ出場を決め、先日は日高川町出身で今年の新年号でも取り上げた競歩の大家利公君(順天堂大1年)が、U20の世界陸上に出場するというビッグニュースが舞い込んだ。

 そんな一方で思うのは、陸上競技は種目が多く、地元大会で優勝しても詳しく紹介できないこと。県大会で優勝してやっと、顔写真だけ掲載する場合が多く、コメントを聞き、選手の考えや気持ちに触れることは意外に少なく、トップ選手に限られてくる。

 陸上競技を担当するようになってまだ2年も経たないが、大きな舞台で戦う選手にインタビューすると明確な目標を口にする選手ばかりに思う。競技に対する姿勢は自然体だったり、アグレッシブだったりといろいろだが、記録や順位など、はっきりとした目標を持ち、それを発しているので、常日頃から意識してトレーニングしているのが強さの第一条件ではないかと思う。

 私も2流選手ながら中学高校と陸上に打ち込んだ。当時母が、私の名前が入ったどんな小さな大会の新聞記事もスクラップしてくれ、そのノートは今も大切に保管している。だから、トップ記事になるような結果でなくても、記事に名前が出なくても、そこに本気で出場していた選手全てに努力や物語があると思って記事を書いている。

 日高地方大会で予選通過、近畿出場、全国制覇など、目指す所は違っても、それぞれにとっては同じ大きな目標。達成するためにそれを口に出して練習を積み、熱いシーズンを駆け抜け、完全燃焼してほしい。(陽)