由良町の旧衣奈中屋上に設置されたヘリサイン

 日高、由良両町内の旧学校屋上に、災害時にヘリコプターが上空から場所を確認できるよう施設(土地)の名前を記した「ヘリサイン」が設置され、28日に無償で整備した県公共嘱託登記土地家屋調査士協会が各町長に目録を贈った。

 同協会の公益事業の一環。目印となるヘリサインの整備は大規模災害時に土地勘のないパイロットでも空路からの救援活動をスムーズに行えるよう、日高町の旧比井小学校、由良町の旧衣奈中学校に設置した。

 ヘリサインは視認性を考慮して緑色に黄色で文字を表示。1文字縦横約4・5㍍で、300㍍上空からでも視認できるという。測量の基準となる登記基準点も併せて設置。位置情報も公開される。

 この日、吉田秀幸理事長、相原斉樹常任理事が両町の役場を訪れ、各町長に目録を贈呈。感謝状を受けた。日高町では県土地家屋調査士政治連盟の稲垣崇会長も訪問。松本秀司町長は「甚大な被害が予想される巨大地震の発生時には道路の寸断も懸念され、空からの救助、救援物資という支援が重要になる。これを機に一層の防災意識高揚に取り組みたい」、由良町では山名実町長が「災害時に来てくれるヘリのパイロットのための目印を作ってくれてありがたい。あらためて、私たちも防災意識を高めて備えたい」と感謝した。

 協会によると、寄贈はコロナ前の有田市の小学校に続き、今年は日高、由良両町の2カ所と田辺市の4小学校で実施。吉田理事長は「普段は目にする機会がないものですが、空からの目印として非常に有効。役に立つ機会がないのがいいですが、いざというとき役に立てば。今後、沿岸部を中心に県下で広げていきたい」と話していた。