総務省は「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の爆発現象が活発になった場合、最悪、携帯電話が2週間にわたって断続的に利用できなくなるなど被害想定をまとめた有識者の報告書を公表した。 

 100年に1回程度発生する大規模な太陽フレア爆発など極端な宇宙天気現象がもたらす最悪のシナリオの被害想定。太陽フレアが発生すると、X線などの強い放射線や電気を帯びた高エネルギー粒子、「CME」という大規模なガスなどが宇宙にまき散らされ、地球周辺の磁気が乱れる。このため、通信や放送が2週間、断続的に途絶。また、GPSなど衛星測位の精度に最大数十メートルの誤差が発生し、カーナビや自動運転車やドローンの位置情報がずれ、衝突事故の危険が高まる。衛星を用いる航空機や船舶などの運行にも影響。耐性のない電力インフラは広域で停電が発生し、地域の防災行政無線や消防無線なども使えなくなるという。

 つながるのが当たり前になっている携帯電話。通話や調べものなど仕事で使わない日はなく、買い物決済、銀行口座の管理なども便利に使っているので、2週間も使えない生活が想像できない。いつの間にこんなに依存していたのかと思い知らされる。

 地球上の自然災害が激甚化し、大地震もいつ発生してもおかしくないと言われている上、宇宙の異常気象まで出てきてゾッとするが、100年前よりずっと便利になったから起こる不具合。太陽の光は恩恵も大きく、作物や生き物を育て、最近は再生可能エネルギーとしても一般的。報告書には国家が行う危機管理も提言されているので、次に太陽の活動が活発化する2025年までにあらゆる対策が講じられることを願うばかり。(陽)