御坊市教育委員会は、毎年10月に行われる小竹八幡神社例祭、御坊祭の民俗的な特色などをまとめた御坊祭総合調査報告書を作成した。

 御坊祭を後世に伝承し、活用する目的で、2018年度から4年間かけて調査。民俗学、郷土史、音楽学、工芸などの専門家12人で組織する御坊祭民俗文化財調査委員会(吉川壽洋委員長)を立ち上げ、古文書、芸能・音楽などを調べ、御坊の成り立ち・御坊祭の変遷、芸能と音楽、祭礼用具など6つの章にまとめた。

 民俗芸能では戯瓢(けほん)踊、雀踊、奴踊、四つ太鼓の概要や音楽の特徴のほか、屋台、幟、傘鉾、鬼面など祭礼用具の記録を掲載。祭りの特徴では「御旅所への浜下りを基層とし、多様な芸能や祭礼文化をさまざまな時代に摂取、組み合わせて独自の祭礼をつくり上げた非常に貴重な民俗文化」としている。付録DVD付きで300部を作成し、御坊市立図書館で閲覧できる。

 弓倉正啓教育長は「事業の途中からコロナ感染症の影響で制約の多い中での調査となりましたが、多くの皆さんの協力で刊行することができました。この報告書を御坊祭の保存や継承に役立てていければと考えています」と話している。