「直接県民のため仕事をしたい」と岸本氏

 今年12月16日の任期満了に伴う知事選に、衆議院和歌山1区選出の岸本周平氏(65)=国民民主党・当選5回=が23日午後、正式に立候補を表明した。一方、現職の仁坂吉伸氏(71)=4期=は同日朝の定例会見で「6月の県議会で発表したい」とし、現時点での進退表明は保留。岸本氏は無所属での出馬を予定、自民党が推薦するという話もあり、保守分裂の激しい一騎打ちも予想される。

 岸本氏は和歌山市のダイワロイネットホテルで会見し、知事選出馬へ向け「今年3月に若手経営者や女性から要請をいただき、考え始め、5月の連休明けにあらためて約200人から出馬の要請書をいただき、決意した。30代の官僚時代にも出馬の要請があり、頭の片隅に知事選出馬があったのかもしれない」と説明。「衆議院ではどぶ板選挙で路上に立ち、大勢の方から話を聞き、国会議員の仕事をした自負はあるが、直接和歌山のため、県民に役立つ仕事がしたい」とし、「民間企業との人脈も生かして皆さんと知恵とアイデアを出し、世界に発信するプロジェクトをしたい」と意欲。また、この日国民民主に離党届を出したとし、「無所属の和歌山県民党として出馬する。2区、3区でも私のスタイルで意見を聞きながら、県全体をブラッシュアップしたい」と述べた。

 仁坂氏は岸本氏が出馬表明する数時間前の定例会見で、自身の進退について「6月の県議会(一般質問)で質問していただければしゃべります」とし、記者からの「自ら発言する考えはないか」との質問には、「それは分かりませんけど、従来は(一般質問で)聞いていただいてしゃべる。それが県のよき伝統だと思っている」と答えた。

 岸本氏の出馬には「私は元々、知事を続けたい、だから勝負に勝たないといけないなど、あんまり考えたことはない。どなたがどうされるのか、自分がこれから考えないといけないことと、あんまり関係がない。だから岸本さんがこうだからということに意味のある答えはできない」と述べた。

 2018年11月の前回知事選では仁坂氏が自民、国民民主、公明の各党の推薦を受けて、共産党新人の畑中正好氏を破って4選。自民党関係筋によると、今回の知事選では自民党が無所属で出馬する岸本氏を推薦する話が出ているという。