お笑いトリオ、ダチョウ倶楽部のメンバー、上島竜兵さんが先日、自宅で亡くなった。61歳だった。熱湯に入ったり、熱いおでんを食べたりと体を張った芸風で、「聞いてないよ~」「くるりんぱ」などのギャグでも笑わせてくれた。その上島さんの死因が自殺と報じられている。テレビ画面で見せていた笑顔からは想像もできないような何か大きな悩みがあったのだろう。
自殺する人は、大抵の場合、その前兆となるサインを発信しているという。例えば、「自分を責め、ネガティブな発言が増える」「家族とも顔を合わせたがらない」「身の回りを整理している」など。そして、その悩みは本人の力だけで克服できない場合もあり、周囲の人がサポートする必要がある。
警察庁の統計によると、昨年の自殺者数は全国で2万830人。動機は健康問題が最も多く8808人で、次いで経済・生活問題の3038人だった。昨年1年間の交通事故による死者数は2636人で、それと比較すると、約8倍の多さとなる。自殺は報道されないケースが多く、あらためて「こんなに多かったのか」と考えさせられてしまう。
豊かで平和な社会といわれる日本。戦後、経済的に大きな発展を遂げた。食料がなくて餓死したり、病気になっても治療を受けられなかったりすることはほとんどない。しかし、フランス、アメリカ、イギリスなどの先進7カ国(G7)の10万人当たりの自殺者数では、日本が最も高い数字。また、10代から30代の若い世代の死因のトップも自殺で、自ら死を選んでしまう人が多いといえる。社会全体がこの悲しい現実を、重く受け止めなければならない。(雄)


