ストラップを手にする児童会役員と尾崎隊長㊧

 東日本大震災を受けた宮城県気仙沼市の被災者に今年4月、紀州梅の郷救助隊を通じて3年ぶりに手作りの梅干しを送ったみなべ町の岩代小学校(大野真紀校長)に16日、被災者からのお礼の手紙や手作りストラップが届けられた。

 梅の郷救助隊は2011年3月の東日本大震災発生後には気仙沼市で捜索活動を行い、以来毎年訪れて、炊き出しや交流イベントなどを実施。岩代小は地域を知る一環で梅学習に取り組んでおり、毎年6月の収穫から塩漬け、天日干し、しそ漬けなどを実践、出来上がった梅干しを、救助隊を通じて気仙沼に届けてもらっていた。

 新型コロナの影響でおととしと昨年は救助隊の訪問が中止となり、梅干しも届けられなかった。救助隊は今年も訪問を取りやめたが、子どもたちが作った心のこもった梅干しを届けようと、被災者27人に36パック(1パック250㌘入り)を発送していた。

 尾崎剛通隊長(73)が岩代小を訪れ、「おいしい和歌山の梅干しありがとう。いつまでも優しさと思いやりの気持ちを忘れずにいてください」「心がこもっているから何倍もおいしいです」などのお礼の手紙が届いたことを報告。89歳のおじいさんからは全校児童40人分に複数行き渡るよう、手作りしたミニチュアの下駄や草履のストラップ220個のプレゼントもあった。

 児童会の中西ののか会長、岩﨑舞衣副会長、役員の中井晃志君と尾崎雄琉君(以上6年)がストラップなどを受け取り、中西会長は「私たちが作った梅干しをもらってくれただけでもありがたいのに、お礼までいただけてすごくうれしいです。今年も梅干しを作って届けたいです」。

 尾崎隊長は「大震災発生から今年3月で丸10年という節目を迎えた。ここ3年間はコロナで訪問できていないが、今後も交流を続けていきたい。活動を継続することで被災者の励みになれば」と話した。