日高川町の和歌山南陵高校で、国から就学支援金が交付されたことに伴い、保護者へ返金されなければならない授業料の一部に還付遅れが生じたことが分かり、県が15日までに、早急に返すよう指導した。同校を運営する学校法人南陵学園(静岡県)はすでに返金を始めており、月内には完了するとしている。

 就学支援金は保護者の経済的負担の軽減のため、国が授業料の一部を支援する制度。授業料に充てるため、国が都道府県を通じて各学校に交付している。おおむね年収910万円未満の世帯の生徒に対し、私立高校の場合、年収に応じて年額39万6000円から11万8800円が交付される仕組み。

 県や南陵学園によると、和歌山南陵高校では保護者からいったん授業料を徴収し、就学支援金が交付されてから相当分を返金している。昨年4月から7月の4カ月分は返金され、8月から今年3月分は3月末までに返金するとしていたが、一部が期日までに返金されなかった。南陵学園や和歌山南陵によると、3月に卒業した生徒の保護者らには期日までに返金しているが、2、3年生(当時の1、2年生)の対象者88人分と通信制の生徒分合わせて約2000万円の返金が遅れたという。

 情報を把握した県が、学校に対して早急に返金するよう指導した。南陵学園では早速14日に未返金のうち1300万円の振り込みを終え、残りの約700万円も月内に振り込むとし、本紙の取材に「遅れた原因については精査中ですが、今後このようなことのないよう改善すべきところを改善していきたい」と話した。