「利用促進へ全体で議論を」と仁坂知事

 JR西日本がローカル線の利用状況を公表したことを受けて仁坂吉伸知事は12日、赤字路線の白浜―新宮駅について「経営が厳しいからと言って切り捨てはルール違反」とし、県としても利用促進へ一層協力していく考えを示した。

 人気が出ていた紀南の観光がコロナで大打撃を受けて、JR路線の赤字が増えているのは事実であると指摘し、「ただ、その数字だけで議論しないでいただきたい。基本的には旧国鉄が分割されてそれぞれのJRができたが、その時には儲かる路線も儲からない路線も含めて運営できるよう調整されている。赤字路線を切り捨てるなら、儲かる路線も置いていけという話になる」と説明。「観光での鉄道の役割は非常に大きい。経営をよくするために県も協力しなければならない。サイクルトレインもやってお客さんが増えている。地域の方もできるだけJRを使って、全体で議論していかなければならない」と述べた。県はすでに赤字路線切り捨てなどをしないよう、JR側に申し入れもしているとした。