地唄舞 「古道成寺」 を舞う出雲蓉

 花見客でにぎわう日高川町鐘巻の道成寺で27日、伝統芸能公演「桜・舞・道成寺」が開催され、地唄舞やうた語り、琴演奏が行われた。

 桜・舞・道成寺は、道成寺を古典芸能の聖地として確立し、日高地方の魅力発信や文化振興、地域活性化の推進を図る「おいでよ! 日高実行委員会」(石倉忠明会長)が主催。新型コロナの影響で中止が続き、今年は3年ぶりの開催となった。

 今回は、地唄(京阪の三味線唄音楽)を伴って舞われる日本の伝統舞踊のひとつ「地唄舞」で、出雲流を創流し舞とパントマイムを融合した「舞夢」を展開する出雲蓉(いずもよう)が振り付け作舞した「古道成寺」を披露。一人立ちの舞で、三味線、胡弓の音色と唄に合わせ、若い山伏や山伏に恋した娘などを演じ分け、娘の幼いころからの執心や悲しみなどを表現した。逃げる山伏を追い、蛇となって日高川を渡る場面では、扇子を手に狂おしく舞う姿に観客は息をのんで見入っていた。

 このほか、奈良墨アーティスト劇団「葉流座」がうた語りで宮子姫伝説を紹介しながら、海を表現した墨アートを作り上げ、日高高校箏曲部(古田晧子、三村稜、堀口佳音、岡山穂乃香、大川天羽、岩橋奈央、竿本杏珠、古久保さくら、和田昌也)が「月虹の中で」「GRADATION~風の彩~」を演奏した。