1月11日は日柄がよく、多くの婚姻や出生の届けが出され、12日発行紙面の慶弔欄は、いつもよりボリュームたっぷりだった。

 この日の一般的な暦は友引。「幸せのお裾分け」という意味で、結婚式など慶事に良いとされているが大安にはかなわない。どう日柄が良かったのかというと、「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」と「天赦日(てんしゃにち)」が重なる「最強の吉日」と言われる日だった。最近は、芸能人もこの日に合わせて入籍や結婚の発表をしており、話題に上ることも多くなっている。

 「一粒万倍日」は、「一粒の籾(もみ)が育って万倍にも実り稲穂なる」とし、わずかなものでも大きく成長し何倍にもなるという意味で、物事をスタートさせるのに縁起の良い日とされている。「天赦日」は、「天が万物の罪を赦(ゆる)す日」という意味があり、暦の上で極上の吉日。この日に始めたことは、すべて叶うという。そして、この極上の吉日が、一粒万倍日と重なることで「万倍に増える」と言われ、最強、最高の開運日とされている。

 一粒万倍日は年間60日ほどあり、天赦日は年に5、6回ほどで、今年はこの2つが重なるのが1月11日のほか、3月26日と6月10日だそうだ。こうしてみると、最強でないにしても縁起のいい日は結構多く感じるが、逆に月に3~5日ある何事も成就しない「不成就日」なるものも。たまに、ことごとく信号に引っかかったり、「今日は何やってもうまくいかん」という日があるが、その正体はこれだったのか。

 人生、いい日もあればよくない日もあり、きっとそれの繰り返し。最強の吉日に結婚した人もそうでない人も、山あり、谷ありの毎日から小さな幸せを積み重ねて万倍になればいいな。

(陽)