今年も残り20日程度。「あっという間に1年が過ぎてしまう」と感じている読者も多いのではないだろうか。一般的に時間の経過は高齢になればなるほど早く感じるようになるという。過去を振り返ってみると、小学生6年間と同じ長さの2015年から現在までを比較。6年前の出来事といえば、ラグビーワールドカップイングランド大会の開催や東京五輪公式エンブレムの白紙撤回などがあった年。人によっても異なるかもしれないが、「もうあれから6年もたったのか」と思う人もいるのではないだろうか▼こうした感じる時間の経過スピードは、19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネがジャネの法則で心理学的に説明している。例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1だが、5歳の人は5分の1に相当する。つまり、50歳の人の10年間は5歳の人の1年間に相当。簡単に言うと、「生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢の逆数に比例する(年齢に反比例する)」という▼ほかにも要因はあるそうだ。人は未経験のことは強く意識に残り時間が長く感じる。反対に慣れてしまうと時間の長さが気にならなくなり、あっという間に時が過ぎたように感じるといわれる。子どもの頃は初めての体験ばかりだが、大人になるにつれて新しい経験をする機会が少ない。時間の経過が速く感じるのは生活に新鮮味がなくなるからという考え方もある▼40代の人なら「人生が半分ぐらい過ぎた」、50代の人も「まだまだ人生は長い」と思っているかもしれないが、残りの年数は加速して速く経過する。1日1日を大切に生きることが重要だ。

(雄)