写真=久保田氏

 県は10日、今年度の文化表彰の受賞者を発表した。文化賞に東京大学名誉教授で航空宇宙工学者の久保田弘敏氏(80)=有田川町出身、東京都在住=が選ばれた。

 吉備高校(現有田中央)へ入学後、栃木県に転居し、その後に東京大学工学部航空学科へ入学。1970年、同大学院工学系研究科航空学専攻博士課程を修了。卒業後は科学技術庁航空宇宙技術研究所に入所し、宇宙飛行体の空気力学や熱空気力学を研究した。74年からアメリカ航空宇宙局(NASA)の客員研究員を務めた。帰国後は東京大学工学部航空学科で航空宇宙工学分野の研究と学生の育成指導に尽力。代表的な研究成果として極超音速機の空力加熱に対するトランスピレーション冷却法と頭部スパイク装着による熱防御、超音速機のソニックブーム低減のための機体形状設計や排気中の窒素酸化物とオゾンの反応シミュレート、将来型宇宙輸送システムの成立性評価など。

 ほか、功労賞2人、奨励賞3人が選ばれた。表彰式は16日午後2時から県庁で行われる。